社長の朝は早い。
誰よりも早く起きて誰よりも早く出勤だ。今日も社員が熱いまなざしを送っているぞ。彼は従業員の癒しを守るために、日夜社会と戦い続けているのだ。がんばれ社長。負けるな社長。
おはようございます社長。「うむ。例の件はどうなっている」
はっ。すべて順調で今回のプロジェクトはほぼ計画通りかと。「そうか。」
「ところで猫草の進捗状況はどうだ」
はい。猫草の方はそろそろ潮時かと存じます。出穂の後に種の痕跡は見つからず、このまま給水を止めるべきかと。
「ああ。やむをえんな」
「そうそう、今朝の気温の方はどんな具合だ」
はい。だいぶん冷え込みがきつく。あれ。
あ、社長どこに。
しゃ、社長おおおおおっ。
なんだいあにき、寒くて帰ってきちゃったのかよ。
「こら。社長と呼ばんか」
へいへい。すんません、あにき。
「ふん。やっぱりおまえの猫ビームが一番だな。」
…へへ。あにきにゃかなわねえなぁ。