O次郎に限らず猫なんてものは、カメラで映そうとしてもまともにこっちを見たりしてくれるもんじゃありません。ぼーっと遥か彼方をみつめているか寝ているか。目線をもらおうと名前を呼べどもしらん顔。猫じゃらしなどの遊具をチラつかせたら今度は動きまくって、とてもじゃないですがまともな写真は撮れません。
だいたいカメラを見せると、またよけいなことをしに来たなとばかりに表情が不機嫌になります。まあよけいなことと言われればその通りなんですけどね。ですのでいろいろちょっかいをかけて何枚も何十枚も撮ります。カシャカシャカシャカシャ。よけいに不機嫌になってゆきます。
ところが。
こちらが何か違うことをしている場合。たとえば撮影用ボックスにライトを設置して。さあフェルト作品を撮影しようかと、カメラをかまえた瞬間に撮影用ボックスに乱入してくれます。ハコスキーの血がそうさせるというのかどうか。ライトの明るさにもめげずに瞳孔を細くして対応してきます。そこまでして箱に入らないといけないのだろうか。
そして。この得意げなカメラ目線である。