クリスマスの余韻もまだ消えないうちに事態が急転直下。
O次郎がキャリーバッグに入れられて病院に直行です。
事の起こりは先週の事。O次郎の奥歯をふと見てみたら、そこには大きな歯石がついていました。カチカチの歯石です。8月に獣医さんで見てもらったときは少しだけ歯茎の色が悪い程度で歯石なども付いてはいなかったのですが。歯石のできる速度を見誤っておりました。
と言うわけで、今日は歯石取りを施術してもらうことになっていましたが。
奥の歯が、歯石どころかもっと悪い状態になっていました。
猫の歯根の吸収(歯頚部吸収病巣)
猫に見られる疾患で、歯と歯茎の境目が溶けてしまう病気です。
この病気は純血種に多く見られます。細菌の伝染などではなく、自分自身の細胞が食べかすなどの異物を溶かそうとして自分の歯を溶かしてしまうと言う免疫障害です。近親交配を繰り返す純血種が陥る免疫の低下。以前飼っていたまりちゃん(シャム猫の純血種)もこれにやられて奥の歯をほとんど抜くことになりました。O次郎も純血種なのでもっと食べカスのケアや歯みがきを行うべきでした。
診察結果は奥の歯8本が非常に悪い状態でした。
病巣が小さい場合は削ってセメントなどで補修することもできますが、時すでに遅し?。いや夏には全然問題がなかったのに。施術はもちろん麻酔を施しての抜歯です。
費用は上記の通りです。ご参考までに貼り付けておきます。抜歯4本と表記されていますが、実際は8本抜いています。たぶん最大4本分の代金しか取らないという獣医さんの好意でしょう。幸運なことに前歯は全く問題なくきれいなままです。そう言えばまりちゃんも奥歯だけやられていましたから、奥歯に食べ物のカスが残りやすいのが原因のようですね。
あくまで統計ですが。1960年以前は、歯頚部吸収病巣の症例はほとんどありません。近年の多様なペットフードの登場から発生しているかのように書かれた文献もありましたが。1960年代なんてごはんに味噌汁をぶっかけてカツオ節を混ぜたような猫まんまが主食でしたし、そもそも純血種なんか探しても売っていませんでしたから。単純にペットフードの問題とは言い切れないとも思います。
朝9時に獣医さんの所に預けて施術。ようやく帰って来たのは夕方です。
歯石取りの麻酔があるので、前の晩からごはんは抜いていました。帰ってふらふらのO次郎の前にささみスープを出して見ますが、ひとくちだけなめて止めてしまいました。まだまだ麻酔の影響で本調子ではないようです。ちょっと心配ですね。
ちなみに猫にとって麻酔はけっこう負担になります。短い期間で行うと腎臓病になってしまうことも多いので、できればあまり行いたくはありません。人間ならばこちらの歯は限界までもう少し残しましょうとか対応できますが、猫の場合はそのたびに麻酔を打って抜歯というわけには行きません。ある程度以上悪くなった歯はまとめて抜く方が良いと言うことになります。今回、診てもらった獣医さんがペットの歯の病気を専門としている方でしたので、痛くて噛めない状態になる前に気が付けたのが不幸中の幸いですね。
乾燥ササミだけはふらふらの状態でも食べてくれました。
最初は乾燥ささみだけでしたが、そのあとは乾燥ささみに牛乳でふやかしたカリカリを少しづつ混ぜたものを食べて。つづいてささみスープと次々と完食しました。やれやれですね。数日は固いカリカリなどはあげずに、柔らかいものをあげる予定です。
まだまだ体がふらついているので、高い処に上がることをしないO次郎。
床に置いたにゃんこ鍋が今夜の寝床です。
奥歯はほとんどなくなりましたが前歯とキバは全く問題なし。
大丈夫ですよ。生きてるだけで丸儲けです。
おうちの猫さんにこんな症状が出たら注意してください。
よだれ、食欲低下、口臭。
歯石(歯の色が違って見えます)。
歯が小さくなったように見える、歯茎がせり上がって見える。