早朝の緊急警報発令。
O次郎隊員の鳴き声に緊張する一同。何かが天井を這っているというのだけは伝わるが、果たして何が現れたのだろうか。
秋も深まり肌寒い早朝にもかかわらず玉のように噴き出る汗。まさか、あの生物兵器の気配が感じられたというのか。
やにわに天井を凝視するO次郎隊員。彼の研ぎ澄まされた聴覚にあの枯草の転がるような微細な音が伝わっているのだろうか。
そう。我々は数年ぶりにあの黒い生物兵器と対面することに相成ったのだった。
走る黒いやつ
飛ぶ黒いやつ
殺虫剤の噴霧と静かにホバリングしつつ迫る飛翔体が織りなす刹那の瞬間。O次郎の右猫パンチが的確に奴を捉える。床にのたうち這うそれに向けて覆い被せられるゴミ箱。阿鼻叫喚の結末は一転しての静寂だった。
なむなむ
やりきった顔をしたO次郎が静かにベランダ巡回に向かう。
俺たちの戦いはこれからだっ。
(今後のO次郎先生の活躍にご期待ください)